学費ナビ

大学は学費で選ぶ時代へ。

学費から見る、かしこい大学選び。

コロナ禍で先の見通しが立てづらい状況が続き、進学する大学や将来の仕事を選ぶ基準がこの数年で変化をしていると言われています。
好きなことや得意なことを活かした学びの分野で大学を選ぶのが主流でしたが、近年は、就職力や居住地に近いなど、より現実的なことを踏まえて選ぶ傾向が強まっています。そんな中で、今回は『学費から大学を選ぶ』という新たな視点について考えていこうと思います。

大学はもちろん、学部・学科によって内訳が多様な『学費』。学びや研究内容によって、そのほかに施設・設備利用費や実験実習費、留学を希望する場合は、留学先の大学に支払う授業料など、さらに費用が必要になります。私立大学の場合は、学ぶ分野によっても金額の違いが出てくるため注意が必要です。どのタイミングでどのくらい支払う必要があるのか、まずは学費に関しての基礎知識を確認しておきましょう。

[そもそも『学費』って?]

学費には授業料のほか、学校の施設や設備の維持管理費、実験や実習にまつわる費用などが含まれており、入学料が発生する1年目がもっとも金額が大きく、2年目以降は毎年ほぼ同じくらいの金額となるのが一般的です。

[大学に4年間(医歯系や薬学部は6年間)
通った場合の学費]

[大学に4年間(医歯系や薬学部は6年間)通った場合の学費]

※出典

  • ・国立大学は文部科学省令による標準額
  • ・公立大学は文部科学省「2021年度学生納付金調査」
  • ・私立大学は文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

※算出方法

  • ・国立大学・公立大学は入学金に初年度の授業料を4倍したものを足して算出
  • ・私立大学は入学金に初年度の授業料、施設設備費を4倍(私立大医歯系は6倍)したものを足して算出

[初年度費用のおおよその割合]

[初年度費用のおおよその割合]

[学費以外に考えておくべき費用は?]

受験料

国公立大学を受験する場合、二次試験の検定料として1出願あたり「1万7,000円程度」が追加で必要になります。私立大学の受験料は学校によって異なりますが『大学入学共通テスト』を利用する場合は1出願あたり「1万~2万5,000円程度」、『一般選抜』を利用する場合は1出願あたり「3万5,000円程度」が相場となります。
最近では、ネット出願や、併願をすることによって検定料が割引になる大学も増えているので、制度を活用した出願がおすすめです。

教科書、参考書代

新入生の教科書代は2〜3万円が一般的です。学部・学科によっては1冊1万円前後の教科書もあるため、中古購入や先輩に譲ってもらうなど、工夫をしている学生も多いようです。

通学費(通学定期代)

電車やバスなど、大学まで通うための交通費は、夏季・冬季休暇を考慮したうえで、割引率が高い半年単位での購入が一般的です。住んでいる地域によっては通学定期購入の補助制度があるため、県や市のウェブサイトを見てみるといいでしょう。

生活準備費

遠方の大学に通う場合、一人暮らし、下宿や寮などへの準備費用がかかります。
中でも、アパート契約時の敷金・礼金、家電や生活用品の購入費などがそれにあたり、自宅外通学を始めるための費用は、入学者1人あたり平均で「39万1,000円(※)」となっています。
※出典)日本政策金融公庫「令和2年教育費負担の実態調査結果」

生活費

家賃や光熱費など生活するうえで月々かかる費用が生活費です。自宅外通学生への仕送り額は年間平均で「102万3,000円(※)」、ひと月あたり「8万5,000円」となっています。
※出典)日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査」、日本政策金融公庫「令和2年教育費負担の実態調査結果」

その他

入学式で着用するスーツや靴、腕時計、パソコンやキャンパスバッグなど、学びの分野に応じて準備が必要になります。

大学の進学には、入学から卒業までおよそ数百万円以上のお金が必要になります。「家計状況的にそんなに多くのお金は用意できない」「なるべく自分で支払っていきたい」と考えるなら、学費の負担を減らせる『奨学金制度』や『高等教育の修学支援新制度』の利用を検討するのもひとつです。奨学金制度を受給している大学生の割合は、なんと約47.5%(※)。2人に1人が利用していると考えると、決して特別なことではありません。
※出典)日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査(大学・昼間部)」
コロナ禍や世界情勢の影響など社会の移り変わりが大きい中、目指す進路にともなう費用を把握したうえでの大学選びは、これからの将来を決めるにあたり、大切な第一歩となるでしょう。
大学は学費で選ぶ時代へ